LoL BOTレーンにおけるウェーブマネジメント講座 その①

2018年10月20日League of Legends, LoL 講座

はじめに

この講座のターゲット層はLoLの基本的な知識が備わっているであろうSilver上位以上です。LoLの基本的な知識や経験則を持っており、感覚でウェーブマネジメントをしているならば、知識の整理に役立つと思います。つまり、色々な所で聞きかじってなんとな~く知ってるけど自分の言葉では説明できないよ!って方向けです。また、例えばLv2先行Allinやゾーニングのようなレベルの話は既に知っているものとして省きます。

BOTにおけるレーン戦でのウェーブマネジメントに焦点をあてたいので、特にMIDやTOPにおいてレーンマネジメントにより発生するお互いのロームの機会についてはあえて記述しません。

講座は何記事かに分けますが、全記事を通してウェーブを押すことを「レーンを押す」または「プッシュする」、ウェーブを引くことを「レーンを引く」または「プルする」、ウェーブを任意の位置に留めることを「レーンをフリーズする」または「フリーズする」と表現します。また、激しく(速く)レーンを押すことを「ハードプッシュ」または「ファストプッシュ」、緩く(遅く)レーンを押すことを「ソフトプッシュ」または「スロウプッシュ」と表現します。

今回の記事ではどのような状況下でプッシュ・プル・フリーズするか、ということよりもまずはミニオンウェーブに関する基本的知識や仕組みなどに重きを置きます。また、あまり解説されることのないウェーブバウンスの仕組みについて特に詳しく書きます。

基礎知識

ミニオンウェーブ

パッチ8.17時点の仕様です。

  1. 最初のミニオンウェーブは1:05に湧く
  2. その後30秒ごとに湧く
  3. ミニオンウェーブの基本構成はMeleeミニオンx3、Caster(Ranged)ミニオンx3
  4. Meleeミニオンは体力が高く、Casterミニオンは体力が低い
  5. Meleeミニオンの攻撃速度はCasterミニオンより2倍早いが与ダメージは1/2
  6. DPS(単位時間当たりの与ダメージ)で考えると、ほぼ同等となる
  7. 2:05に初めてSiege(Cannon)ミニオンがウェーブに加わる
  8. Siegeミニオンは最初の20分間は3ウェーブごとに、20分以降は2ウェーブごとに、35分以降は1ウェーブごとに加わる
  9. このSiegeミニオンは他のミニオンより体力が高くDPSも高い
  10. ミニオンウェーブの動きは青側と赤側で対称であり、何らかの介入がなければレーンの中央(ニュートラルポジション)でぶつかる

ニュートラルポジション

ミニオンの仕様はパッチによって微調整されます。さらに詳しい情報は以下のLoL英語Wikiを参照して下さい。

ウェーブマネジメント

ウェーブマネジメントとは、本来ニュートラルポジションでぶつかるウェーブを状況によって押したり引いたりすることで利益を得ることを指します。得られる利益と様々な状況*1を照らし合わせながらレーンを押すか引くか考慮するのが基本となります。ウェーブコントロールとも呼ばれています。

*1 敵Junglerはどこ?敵MidはMIA?敵TopのTPはあがってる?

レーンを押すことのメリット・デメリット

メリット

  • ファストプッシュすることで相手にタワー下でのファームを強いることができる
  • 相手がタワー下でのファームで忙しい間に容易にハラスでき、相手にプレッシャーを与えられる
  • よってLH差を作り出せる
  • タワーを削れる

デメリット

  • オールインされるリスクが増える
  • 自分のタワーから離れるため、ギャンクを受けやすく死のリスクが伴う

レーンを引くことのメリット・デメリット

メリット

  • オールインされるリスクを減らせる
  • 敵ジャングラーからのギャンクを受けにくくなる
  • 味方のジャングラーを呼ぶことでギャンクに成功しやすくなる
  • レーンで勝っていて、相手にかなりのプレッシャーを与えられている時にレーンを引けば相手はLHとEXPを失うことになる(相手は殺されるリスクをとるか、LHとEXPを失うかの選択を強いられる)

デメリット

  • タワーまでファストプッシュされるとLHを取りにくくなる上に一方的なハラスを受けやすい
  • レーン近くで敵と味方のJunglerが遭遇して戦いだした場合、距離的な問題とミニオンロストのリスクで相手のほうが寄りやすく負けてしまう

ウェーブマネジメントの方法

まずは簡単に書きます。講座②あたりで詳しく書きます。

プッシュの方法

AOEスキルを使うなどして敵より速く(多く)ミニオンを倒します。目的に応じて速さの程度(ファストプッシュorスロープッシュ)を調整します。

プルの方法

敵より遅く(少なく)ミニオンを倒します。遅さの程度を調整することでウェーブポジションを任意の位置に調整します(=フリーズできます)。

フリーズの方法

まず相手にプッシュさせ、敵のミニオンの数が多い状況(Casterミニオンが+1~3)を作り出し、ウェーブポジションを自分のタワーの攻撃が敵ミニオンに届く少し前の位置に留めます。もし相手がプッシュしてくれないのなら、こちらからファストプッシュをすることでウェーブがバウンスし、少したてばレーンをフリーズさせることができます。ただし、永久的にレーンをフリーズすることはできず、少しずつプッシュする形になります。フリーズできるのは通常1~3ウェーブです。

ウェーブがバウンスする仕組みや永久的にフリーズできない理由は後ほど詳しく解説します。

レーンプッシュの詳解

ここからは話をシンプルにするために、何らかの状況を作り出す時以外はできるだけチャンピオンの介入はないものとして記述します。物理を初めて学ぶ際に、摩擦はないものとして扱われたと思いますが、それと同様です。

プッシュについて誤解を恐れず大雑把に言うと、ウェーブ内のミニオンの合計HPが多いほうがプッシュします。ミニオンの合計HPが多い≒ミニオンの数が多い≒ミニオンウェーブの与ダメージが多い。与ダメージが多いほうが当然プッシュします。

プッシュする際の各ミニオンの重要度

これについては頭が混乱する可能性があるので、読み飛ばすか、わからなくても深く考えないことをオススメします。ウェーブの与ダメージについて考察する過程で出てくる理屈なだけです。

① MeleeミニオンのHP > Caster or SiegeミニオンのHP

ミニオンウェーブがぶつかる際に、最初に攻撃を食らうのはMeleeミニオンです。MeleeミニオンのHPが少ないと相手より速く死に、ミニオンの数が減ります。ミニオンの数が減ると与ダメージを失います。一方、Caster or SiegeミニオンのHPが少なかったとしても、攻撃されるのはMeleeミニオンが死んだ後なので、しばらくは影響を受けません。ですからウェーブをプッシュするという観点では、MeleeミニオンのHPがより重要です。

② Siegeミニオンの存在 > Melee or Casterミニオンの存在

Siegeミニオンは他の2種類のミニオンよりDPSが高いです。Siegeミニオンが存在しているというだけでより速くプッシュします。

①を実戦できちんと正確に利用できるのは恐らく最高レートの方たちだけだと思います。

How Dopa Counters OP Champions – YouTube

2:16~あたりから (英語)

プッシュの加減

プッシュする速度についての話です。

BOTレーンにおいて、スロープッシュをすると相手のタワーに到達するまで最大で2分程かかります。ファストプッシュをすれば最短で15秒程です。

スロープッシュ

スロープッシュをすれば味方のミニオンウェーブが段々と巨大になります。相手タワーに到達した時にジャングラーを呼ぶなどしてタワーダイブすれば、相手は大量のLHとEXPを失います。たとえ相手ADCも自分ADCも死んだとしても、こちらはミニオンのLHとEXPを失わないので、所謂「Worth(価値あったわ)」です。相手がこちらを攻撃すれば、巨大ミニオンウェーブも相手を攻撃してくれる、というのもポイントです。

ファストプッシュ

相手がレーンにいない時、つまりリコールしていたりどこかに寄っている時にファストプッシュすれば相手はLHとEXPを失います。また、継続的に相手タワーのHPを削れます。

さらに重要なのは、ファストプッシュすることで、ウェーブをリセットするかバウンスさせることができる、ということです。

ファストプッシュによるウェーブリセット・ウェーブバウンス

ウェーブリセット

できる限り速く相手ミニオンを倒し、相手の次のミニオンウェーブが到着する前に味方ミニオンを相手タワーによって全滅させれば、ウェーブがリセットされ、次のミニオンウェーブはニュートラルポジションでぶつかります。相手が何らかの理由でレーンにいない場合や、相手がレーンをフリーズしている時に行います。

ウェーブバウンス

プッシュ速度を微調整し、相手のミニオンが到着する前に味方ミニオンが全滅するのを防げば、つまり、相手タワーが味方ミニオンを攻撃している最中に相手のミニオンウェーブがそこにたどり着けば、ウェーブをバウンスさせることができます。ウェーブバウンスとはこちらがプッシュしていた状況が反転し、プッシュされるということです。バウンスさせればレーンを引くことができ、任意の位置でフリーズすることも可能となります。

なぜウェーブがバウンスするのでしょうか。

キーポイントは2つです。
① ミニオンウェーブの動きは青側と赤側で対称
② ミニオンの数が多くウェーブの与ダメージが多いほうがプッシュする

以下の説明では自身は青側で、プッシュしている状況とします。また、相手タワーまで押し込んだウェーブを「ウェーブ1」、その次に湧いたウェーブを「ウェーブ2」、さらにその次のウェーブを「ウェーブ3」…と表現します。

ウェーブ1を相手タワーまで押し込み、ウェーブ2が到着すると以下のようになります。赤側のウェーブ1は全滅済みです。

ウェーブバウンス その1

「① ミニオンウェーブの動きは青側と赤側で対称」なので、ウェーブ2は本来、ニュートラルポジションでぶつかるはずです。ところが青側ウェーブ1がタワー下に残っているため、赤側ウェーブ2はそこで一度止まり、その間も青側ウェーブ2は進み続けます。敵タワーによって青側ウェーブ1も全滅すると、両者のウェーブは以下のようになります。

ウェーブバウンス その2

このぶつかっている箇所を地点Aと名付けます。この地点はニュートラルポジションよりも赤タワー寄りです。さらにウェーブ3が地点Aに向かっていますが、「① ミニオンウェーブの動きは青側と赤側で対称」なので地点Aまでの距離が短い赤側のウェーブ3が先にこの場所に到着し、以下のようになります。

ウェーブバウンス その3

この瞬間から、「② ミニオンの数が多くウェーブの与ダメージが多いほうがプッシュする」ので赤側のウェーブ2+ウェーブ3がプッシュする形になります。これが赤側のスロープッシュの起点となり、最終的には青側タワーまで押し込まれます。

ウェーブバウンス その4

以上のような仕組みでウェーブはバウンスします。また、お気づきかと思いますが、これはフリーズが永久的に続かない理由でもあります。ニュートラルポジションより手前にフリーズしている地点には味方のミニオンウェーブが先に到着します。それがスロープッシュの起点となるのです。

しかしフリーズが永久的に続かないのは決して悪いことではなく、むしろ後にさらに利益を得られることになるのです。詳細は講座②で書きます。

理屈とか仕組みとかどうでもええから動画でみせろよ

はい

リセットされるのかバウンスされるのか

「押し込んだウェーブは次の敵ウェーブが来る前に死にきるかどうか」でリセットかバウンスかが決まります。死にきるならリセットされ、そうではないならバウンスされます。

ウェーブが死に切るかどうかは、タワーまで押し込んだ際に次の敵ウェーブはどこにいて、敵タワー下の味方ウェーブのミニオンはどれだけいるのかで判断します。ビッグウェーブを作ればバウンスさせやすいです。

リセットされるのかバウンスされるのか

相手からのファストプッシュに対抗する

君もはよミニオンを殴り続けるんやで

おわりに

今回はここまでです。
次回は今回の話をもう少し掘り下げながら、ウェーブマネジメントの目的などを書く予定です。